ﾁｮｯﾄえっちなここもの日記

マンション・・と呼ぶには少し後ろめたくなるような建物の三階の一室。
ドアを開けると玄関には形ばかりの下駄箱が作りつけてあり、敷居もなしにﾀﾞｲﾆﾝｸﾞｷｯﾁﾝへと続く。
ドアが開いていたら丸見えのDKには小さなﾃﾚﾋﾞとｺﾀﾂがあるだけ。

南向きに並ぶ二つの部屋を通って開け放したﾍﾞﾗﾝﾀﾞから心地良い風が吹き込んでいる。

二つの部屋の片方はｷｯﾁﾘ片付けられ無駄な物は何一つ出ていない。
ﾌﾛｰﾘﾝｸﾞにはﾗｸﾞが敷かれそれなりにｲﾝﾃﾘｱにもこだわっているように見え統一感がある。
几帳面な男性の部屋とも色気の無い女の部屋とも思える。

もう片方の部屋・・・
ｺﾁﾗは明らかに女の子の部屋だというのがｱﾘｱﾘと見える。
姿見の前にはﾄﾞﾗｲﾔｰ、ｱｲﾛﾝ、ｼｭｼｭ、ｶﾁｭｰｼｬ等、ﾍｱｸﾞｯｽﾞが山のようにあり、籠から溢れて床に転がっている。
数本以上の長い髪がまとわり付いたﾌﾞﾗｼも放り出したまま。
ｶｰﾃﾝﾚｰﾙには沢山の衣装が吊り下げてあり、風に押されて揺られている。
乱れた布団の上には週刊誌が散らばり・・・どうやら片付け下手なようだ。


この対照的な部屋を表すように、対照的な性格の持ち主がふたり。
不思議な事にｹﾝｶをした事も無く、お互いのﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰを尊重し仲良く暮らしていた。


。。。。。。。。。。


ﾙｰﾑｼｪｱを始めて一年過ぎ、夏の匂いを感じる夜。
ｺﾀﾂの上に一本のﾋﾞﾝと二個のｸﾞﾗｽ、そして嬉しそうな二人の笑顔。

普段全く飲まない二人の前に銘柄もわからないﾜｲﾝのような物がある。
今夜初めて酒を酌み交わそうとしている二人。
お菓子やつまみを並べて乾杯をする。

ほんの少し・・・酒を飲む人から見ればこれっぽっち？と思われる量で気分が浮き足立ち、いつもよりもお喋りが盛り上がる。

飲んだ量より食べたお菓子の方でお腹が膨れたのであろう二人はｺﾞﾛﾘと転がりﾃﾚﾋﾞを見ていた。
気付けば１２時を過ぎている。

いつもと違う夜。酒の匂いが漂う部屋の空気。
赤い顔をして今にも寝てしまいそうな二人。

どちらが何を言うまでもなく手を取り合った。

「もう寝ようか？」

意味のない笑い声を上げながらﾌﾗﾌﾗと立ち上がる・・・その時偶然片手が相手の胸に触れた。

風呂上り、勿論ﾉｰﾌﾞﾗである胸の膨らみは幻のようでもあり、ﾘｱﾙな感触でもあった。
何も言わずに立ち上がれば何の事はない触れあい。
けれど、もう一度だけその感触を確かめたいと思う気持ちに逆らえず、今度は膨らみを包むように手を出し立ち上がろうとした。

逃げるだろうか？
そうはしなかった。

差し出された手が胸に近づくまでじっとしている。
手のひらからこぼれそうな大きさ、その柔らかい胸の先は強調され尖っていた。

黙ったまま少し力を込めて弾力を試す。
押し返そうとする胸の張りは酔った勢いを増すのに十分だった。

荒くなる息遣いを押さえ込み、すぐに「なんでもない事」と誤魔化せる心と言い訳を準備しながら一揉み、二揉みと繰り返す。

怒っているのだろうか？戸惑っているのだろうか？
今にも突き飛ばされるような気がして手が震える。
どちらも一言も発さない。時間が止まっているのだろうか。

恐る恐る胸の先端へと指を伸ばす。
何かを進めなければこの時間は止まったまま動き出さないような気がしていた。

思いがけず・・・いや、本当は想像していた通りに先端は硬く尖っていた。
きゅっと摘むと身体に緊張が走ったのが指先から伝わってくる。
強張った身体はそれでも身動きせず黙ったまま。

「今夜だけは夢の中の出来事になる」
勝手な考えを心に決め、更に強く摘み、揉み上げていった。。。



～つづく～